第7章 「SBK」~二次審査~
「まぁ、仲直りしたっつーか、なんつーか…。」
(さっきのカレー事件で、意地とか全部ぶっ飛んだ…。)
これは仲直りというのか分からないけど、とりあえず父さんとは普通に話せるようになったと思う。
話せるようになったのは…、この野菜が生で、ちゃんと煮込んでない父さんが作った、変なカレーのおかげ…かな?(笑)
「そういえば、雪哉。ドラムはまだ続けてるのか?」
「え、あ、うん。とりあえずは。」
「お父さん!雪哉さー、友達とバンド組んで大会に応募したんだ。」
「へぇー、大会に…。」
「え、あ、ちょ、姉貴?!」
(別にそこまで言わなくても…。)
「今度二次審査あるんだけど、それ突破したら決勝戦応援しにいけるんだよ!」
「ほー、すごいなー!雪哉、決勝戦応援しに行くからなっ!」
父さんはキラキラとした表情で言った。
「まぁ、まだ決勝戦行けるって決まったわけじよないけど…、
ありがとう!
オレ、頑張る!!」
オレと父さんとの止まっていた時間が、動き始めた気がした。