第3章 面接
美桜は、そうな事あるんだ…と呟いて、
「あさひは、あのままあそこにいるんですか?」
と、自分の心配より、幽霊の心配をし出した。
鬼灯は、少し呆れながら、
「地縛霊とは、その場所に強い想いがあるから、そこに居るのです。彼女は、殺されて怨んで地縛霊となりました。だけど貴女と過ごしている内に、貴女に想いを入れてる様に見えます。貴女がいなくなり、彼女の存在理由がなくなった今、彼女は、現世を彷徨っているかも知れません。」
「そっそんな…そんなのあさひが、可哀想!ずっと私を助けてくれていたのに、私だけ鬼になって存在して、なのにあさひは誰にも気づかれないでずっと現世を彷徨うなんて…嫌だよ…」
と、あさひを思い美桜は、泣き出した。
鬼灯は、彼女の言葉に驚きを隠せないでいた。
自分の今置かれている現状を心配するより、幽霊であるあさひを心配して泣き出すなんて、鬼灯には、理解できなかった。