第2章 全ての終わりと始まり
月日は流れ、美桜は、高校を無事卒業して、保育士の資格も取って、老夫婦の施設で働く事になった。
小さな事だけど幸福感に包まれて日々を過ごしていた美桜だったが、25歳の春、養父に住所がバレてしまった。
ずっと避けていたのに、住所も言わずにいたのにどうしてバレたんだろう、どうしよう、と軽くパニックになっていた時、あさひが
「大丈夫、モシココ二来タラ、私ガ化ケテ助ケテアゲル!」
あさひにそう言われて、美桜は、ありがとうと涙を浮かべて笑った。
だがそんな約束も叶うはずもなく、養父は、美桜の前に現れ家ではなく、ホテルに連れ込み暴力を働いた。
ボロボロになって帰ってくる美桜を、守と約束したのに何もできない自分に情けなくなっていたあさひは、ただ美桜の側にいる事しか出来なかった。