第13章 薬剤
「あ〜また失敗したぁ~。桃太郎これ本当に作れるのか?」
桃太郎と龍寿は、白澤に頼まれた漢方を調合していた。
「これに書いてあるとおりには、やってるけど、如何せんこの絵じゃなぁ…」
2人は白澤が置いてった調合書を見ながら、何とも言えない絵に困惑を抱いていた。
すると扉の方から
「今日はー桃太郎居る?」
尋ねてきたのは美桜とあさひだった。
「あさひさん!」
龍寿が嬉しそうにあさひの元に駆け寄る。
「今日は、龍寿さん。今日は此方に居らしたんですね。」
2人が自然に話しているのに美桜は、驚きコソコソと桃太郎に問い掛けた。
「何々?!あの二人いつの間にあんなに仲良くなったの?!」
「それが、最近良く話してるのを見掛けるんだよ!初めの頃は、あさひさんぎこちなかったけど、ここに通うようになって少し打ち解けたみたいだぜ?」
そんなあさひの一面を見れた美桜は、嬉しくなり泣きそうになったが、ぐっと堪え2人を見守った。
「そう言えば、何か用事があったんだろ?」
桃太郎に言われてはっ!と思い出した美桜が袋を手渡し
「これ、白澤さんから桃太郎に渡してって頼まれたものだよ!」