第11章 sweet bitter spice
「あっ鬼灯さんお帰りなさい、用事終わったんですか?」
留守を任せていた美桜が此方に気付き駆け寄ってきた。
「はい。留守をありがとう御座います。美桜さん、少しお話がっ⁉︎」
「あれっ⁈目が回る⁈」
2人の目の前がグニャグニャと歪んでいった。
暫くすると気を失っていた2人が目を覚ました。
「戻ったみたいですね。」
「んー…あっ本当だ…戻ってる!」
リリスの魔法が解けて2人は元の身体に戻った。
「良かった!このまま戻れないんじゃないかって不安になりましたよ!」
美桜は、元どおりになり安心していた。
その様子を見ていた鬼灯は無言で美桜の手を引き抱きしめた。
「ほっ鬼灯さん⁈なななっ⁉︎」
「美桜さん、いつもしんどい思いをしていたんですね…気付かなくてごめんなさい…」
美桜は、何の事か分からず困り果てていると
「身体の違和感、私には、耐えれませんでした。なのに貴女は、慣れてしまっているのですね…」
抱きしめる鬼灯の腕に力が入る
「…鬼灯さんありがとう、でも私、本当に大丈夫ですよ?確かに痛さには、慣れちゃって何とも思わなくなっちゃったけど、今は、皆んながいるから、鬼灯さんがいるから私は、大丈夫です…!」
そう言いながら、にこっと笑う美桜に、鬼灯は、胸が締め付けられる様な感覚になった。
「さぁ元に戻れたし、溜まってるお仕事片付けてしまいましょう!」
美桜に言われ鬼灯も、腕を解き仕事に戻った。
長かった入れ替わりも終わり2人は、元の生活に戻った。