第9章 鬼と金棒
「本当かい!にぃちゃん!」
親方が興奮気味に白澤を揺らしてると、
「ゼイラやめなさいよ!」
はっとゼイラは、止まり白澤を離した。
「びっびっくりしたっ!」
「白澤さん、大丈夫ですか?てか、治せるんですか⁈」
「あっ!あぁ治せるよ?今は、薬とかないからとりあえず、状態だけでも見たいから、診察させてもらってもいいかな?」
白澤が診察をしてる間、4人は別の部屋に移動した。
「ゼイラさん、この金棒は、お返しします。」
鬼灯と美桜が金棒を、差し出すと、
「あぁ、それか。それは、お2人が使ってくれ。」
「えっ!だって親方さん達の大事な思い出の品なんでしょ⁈」
「それは、元々使う為に作ったものじゃからなぁ。それにあんたら2人は、なんともないじゃろ?その金棒は、使うものを選ぶ故、実は、儂らでも使えんのじゃよ。」
「選ぶって?」
「聞いているとは、おもうが、それは、儂らが作ったありとあらゆる拷問器具を濃縮し作ったものじゃか、呪いがかかっておるんじゃよ。その金棒が認めぬ者には、何かしらの災いが起きるんじゃが、見たところ2人になんともなく見える。特にそっちの兄さんの方は、それがないと困るじゃろ?」
「そうですね。では、有難くこれからも使わせて頂きます。」
「私も、今日初めて触ったけど、大事にします!親方さんありがとうございます!」
「存分に使ってやってくれ。その方が喜ぶじゃろうて。」
ゼイラは、嬉しそうにニカっと笑った。