• テキストサイズ

地獄の果てに

第9章 鬼と金棒


朧車にのり、3人は、由良の話を聞いた。


昔、遥か昔とても腕の良い鍛治職人の男がいた。
地獄の拷問器具の半分を彼が作っていた。
そしてもう半分をこれまた腕の良い女職人が、納めていた。
2人は、対立しあい、どちらがより優れた職人であるかを、毎日競い合っていた。

いつしかこれでは、ラチがあかないとお互いに思い、話し合いをし、お互いに1つ武器を作りそれを相手と交換をして、使ってみてどちらがより性能がいいのかで決着をつけようという事になった。
互いに思考錯誤しながらできた武器が、両者とも金棒だった。
2人が鬼であることもあり、やはり鬼といったら金棒だろうとなり、お互い同じものを作ってしまった。

2人は、それをみて、争うのがバカらしくなり、分かり合えるのに時間は、かからなかった。
2人は夫婦になり、金棒は、思い出の品だからと、大切に飾られていた。

しかしある日、2人の店に強盗が入り、大半の品が盗まれてしまった。
運悪くその品の中に金棒も入っており、犯人が捕まったが多くの品が、闇市に捌かれてしまい、時間をかけて取り戻したが、金棒2本だけが、とうとう見つからなかった。

月日が経ち、やっと1つの金棒が見つかったと連絡があり、弟子である由良が受け取りに向かい、帰る道中先程の事が起きたと、聞かされた。
/ 192ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp