第9章 鬼と金棒
2人がどうしたものかと少し離れた所で考えていると、美桜は、ジーッと金棒を眺めていた。
(あれ丁度良いなぁ…あれぐらいのサイズだったら振り回せるのに…抜かないかな?)
美桜がそう思いながら金棒に近づくき、触れようとした時
「すみませーん!金棒降ってこなかったですか⁈」
奥の方から息を切らしながら、男性が走ってきた。
「金棒ならこちらに。貴方は?」
「私は、由良と申します。鍛治職人でして。親方に頼まれて荷を運んでた途中で何故か金棒だけが落ちまして…ってあれっ!その金棒っ!!」
「?」
由良は、鬼灯の金棒を指差してわなわなしていた。