第8章 再会
「おや、これは、珍しいね。アルビノじゃないか。」
「アルビノ?」
「生れつき色素が薄い病気さ、しかしここまで真っ白な、しかも人間なんて儂も初めて見たよ。現世で何度か見てきたけどこの小娘程ではなかったねぇ。」
鈴奏と鬼灯が話していると、あさひは目を覚ました。
「ん、あれっ私…」
「取り敢えずこれを、羽織りな。服は、貸してやるから中に入りな。」
突然服は着てない状態になるので、鈴奏は、羽織りを手渡して、鬼灯に支えられながら、あさひは、中に入った。
「そこに座って待ってな。鬼灯そこの月下美人の箱から薬を出してその小娘に飲ませときな。」
鈴奏に言われ月下美人が描かれた箱から包みに包まれた薬を一包とり、あさひに手渡した。
あさひが、渡された薬を飲むと、そのまま寝てしまった。
しばらくすると鈴奏が戻ってきた。
「やっぱり寝ちゃったかい。」
「鈴奏さん、さっきの薬は何ですか?」
「あれは、精神安定剤みたいな物だよ。自我を忘れた者や記憶が錯乱した者が飲むと、本来の自分を思い出すんだよ。ただ副作用が強いから、本当に必要な者にしか、処方しない。この小娘には、必要そうだから飲ませたが、しばらくは起きないだろうよ。」
そう話しながら鈴奏は、カチャカチャと、道具や薬草などの支度をしていた。