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【イケメン戦国】零れる泡沫*恋奏絵巻*《企画集》

第7章 〖誕生記念〗溺れる微熱に、口づけの花束を / 石田三成





(美依様からの贈り物ってなんだろう……)




その後、美依様の部屋に泊まることになり、私は寝る支度を整えて、美依様を待っていた。

美依様は今、湯浴みに行っている。
この後、必然的に訪れるであろう、甘い時間に思いを馳せながらも……

『贈り物、楽しみにしててね』と恥ずかしそうに言った美依様が気になる。
一体、私のために何を準備してくれたのだろうか。






「三成君、お待たせ!」






色々思考を巡らせていると、襖を開け、美依様が戻ってきた。

その姿を見て、ドキリと一回心臓が高鳴る。
湯を浴びた後の美依様は、薄い襦袢姿で、身体が温かいのか頬は高揚しており……

まだ少し湿った髪も、なんだかやたら艶めかしく見えて、私は思わずゴクンッと喉を鳴らした。




「……どうかした?」

「い、いえ…おかえりなさい、美依様」

「うん、ただいまぁ」



(無防備すぎるのも、ちょっと考えものだな……)


そんな事を思っていると、褥の上で胡座をかいた私の前に、美依様が正座をして座った。

そして、畏まった様子で私を見つめる。
『贈り物、楽しみにしててね』と言う割には、手には何も持ってないようだが……

私が固唾を飲んで美依様の言葉を待っていると、美依様は微かに微笑み、その桜色の唇を開いた。




「今から三成君に、誕生日の贈り物をあげるね」

「はい、ありがとうございます。贈り物とは……?」

「うん、あのね……」




すると、美依様は少し照れたようにはにかみ。
私が予想もしていなかった、可愛らしい『贈り物の内容』を口にした。









「私からの贈り物は……たくさんの口づけだよ」









「……え?」


その言葉を聞き、思わず赤面してしまう。
すると、それが移ったのか、美依様まで頬を染め、顔を下に向けた。

美依様からの、たくさんの口づけ。
今まで私からは散々口づけてきたけれど……
美依様から口づけられた事は、一度もなかったのだ。






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