第6章 【世にも淫猥な御伽草子】桃太郎ver.
「じゃあ、幸村の判定をしましょうか」
と、佐助がどこからか取り出した紙と筆を持ち、三人に幸村桃太郎の情事についてどうだったか問いかけます。
「幸村は純」
「ひたすらに早漏」
「乱暴かもしれませんね、意外と」
「あとは、天然たらし」
「後先考えず、暴走」
「うーん、いい所がないな、幸村」
しかめっ面になる佐助、改めて幸村桃太郎と美依鬼を見て…
『ある事』に気がつき、目を見開きました。
「幸村は口づけが多い…ほら、今だって」
「覆いかぶさって、口づけてるね、確かに」
「それがなんなんだ、佐助」
「口づけは愛情の証なんです。男は交わる事は出来ても、口づけは本当に好きじゃないとしたくないって、統計もあるくらいですから」
「つまり…美依様を想って契っていると言う意味ですか?」
媚薬に冒された、美依を助けるために。
それは、ただひたすら解毒のためではなく…
美依を想っているから、交わっている。
────美依が好きだと言う証拠
「まぁ…それはいいんじゃない、多分」
「だな、幸村の立派ないい所だ」
「ええ、幸村桃太郎殿は素敵な方ですね!」
「じゃあ、そろそろ政宗さんと交換しますか…あれ、政宗さん?」
今更ながらに、政宗桃太郎が居ない事に気がついた四人。
どこに行ったんだ?と首を傾げていると…
どこからか、政宗桃太郎が飄々と戻って来ました。
「よお、俺の出番はまだか?」
「政宗、お前どこ行ったんだ?」
「他人の情事を見てると、萎えるから見ねぇ」
「…それを俺達にさせといて、そんな事言います?」
「まぁまぁ、家康拗ねるな。って、あれ、美依…?」
政宗桃太郎が幸村桃太郎と美依鬼に視線を向け、眉をひそめました。
そこには、穏やかに抱き合う二人の姿。
おかしい、今まで激しく交わっていたのに…
二人の会話を聞いてみると。
「ごめっ…幸村、私…」
「仕方ねーだろ、媚薬が効いてたんだから」
「もう、恥ずかしくてお嫁にいけないっ」
「俺が貰ってやるから大丈夫だ」
……これ、完全に媚薬抜けたよね←
幸村桃太郎との繰り返される蜜事で、美依鬼からはすっかり媚薬は抜けてしまったようだ。