第6章 【世にも淫猥な御伽草子】桃太郎ver.
「ありがとう、幸村桃太郎。喜んで協力させてもらう」
「まきびし入りきびだんごで、だいぶ嬉しそうだな、佐助」
「まきびし入りなら、なんでも嬉しいから。それより幸村、俺の仕入れた情報に寄ると、安土山からも桃太郎が鬼を狙って鬼ヶ島へ渡ったらしい。媚薬入りのきびだんごを持って」
「げ……鬼を落とす気満々じゃねーか!」
「すぐに出発しよう。手強い相手だけど…幸村は強いから大丈夫だ」
「おー、ありがとな」
こうして、幸村桃太郎と獣人佐助のズッ友コンビも、鬼ヶ島に出発しました。
政宗桃太郎と幸村桃太郎。
正反対な二人ですが、目的は一緒。
ずばり、美依鬼を手に入れるために。
二大勢力が、鬼ヶ島で激突する事になる。
さぁ、美依鬼を射止めるのはどちらなのでしょう。
政宗桃太郎?幸村桃太郎?
それとも……秀吉猿や三成犬、家康キジや獣人佐助も絡んで来るのでしょうか。
全てが明らかになる、鬼ヶ島。
まさかその戦いが、あんなに甘美で蜜なる戦いになろうとは──……
この時はまだ、誰も知る由もないのです。
……本当に原作まる無視だな、これ(呆)
幸村も桃太郎かよ、一体どうなるんだ、これ。
*****
「ここが鬼ヶ島か…鬼はどこに居るんだ?」
政宗桃太郎と、秀吉猿、三成犬、家康キジの四人は鬼ヶ島に到着しました。
そして、薄暗い洞窟へと入っていきます。
洞窟を進みながら……
秀吉猿は怪訝そうに政宗桃太郎に問いかけました。
「そのきびだんご…美依鬼に使うのか?」
「当然だ、これを使えば確実に落ちる。媚薬入りだからな」
「びやっ……!」
「食わせて、俺の手で気持ち良くしてやれば、鬼も惚れるだろう?」
「なっ…そんな事させねぇぞ!」
「うるさいですよ…秀吉さん」
「あ!皆さん、あれを見てください!」
いがみ合っていた政宗桃太郎と秀吉猿、呆れ顔の家康キジは、三成犬がしっぽをぴんと立てて声を荒立てたので、そっちの方角を見ました。
なにやら、明るくなっている洞窟の突き当たり。
そこには、なにやら談笑する三つの人影がありました。
お茶を飲みながら、のほほんと和やかな空気。
四人がこっそり会話を聞いてみると……?