第6章 【世にも淫猥な御伽草子】桃太郎ver.
「政宗桃太郎、俺達も一緒に行く。はっきり言ってお前だけじゃ心配だ、美依に何かあったら……」
「秀吉猿様の言う通りです。私達もお供させてください!」
「三成…しっぽをぱたぱた振るな。政宗桃太郎さん、俺達だって美依鬼が気になるんですよ」
……政宗の心配と言うより、美依の心配だったな←
秀吉猿、三成犬、家康キジの話を聞き、政宗桃太郎は怪訝そうに眉をひそめましたが……
『仕方ないな』と言って、お供を承諾しました。
「だが、絶対俺の邪魔するなよ?鬼を口説くんだからな」
「それは約束出来ない、美依に危険が迫ったら守ってやるのは当たり前だからな」
「政宗様、独り占めは許しませんよ?みんな美依鬼様が大好きなのですから」
「だから、三成…尻尾をぱたぱた振るな。政宗さん、その腰にぶら下げてるのはなんですか?」
家康キジの問いかけに……
政宗桃太郎は目を細め、艶めいた声で答えました。
「甘い甘い罠だ。美依鬼を俺に溺れさせるための…すげぇ気持ちイイ夢が見られる、禁断のきびだんごだ」
こうして、四人は力を合わせ、鬼を退治するために、鬼ヶ島へ向かいました。
そこには何が待っているのか、美依鬼とは一体どのような存在なのか……
政宗桃太郎の気持ちはすでに昂り、きびだんごを握り締める手にも力が入ります。
美依鬼は政宗桃太郎の手に落ちてしまうのか?
この先の物語も、目が離せない。
媚薬入りのきびだんご……(げんなり←)
美依、俺が(猿が)それを阻止してやるからな!
────時間は少し遡って
政宗桃太郎が桃から産まれた頃と同時期に、春日山の信玄おじいさんと謙信おばあさんの所にも、同じような出来事がありました。
その日、信玄おじいさんは、川原へナンパをしに。
謙信おばあさんは、おじいさんの代わりに山へ賊を倒しに出かけました。
……こっちもこっちで突拍子もないな(汗)
信玄おじいさんが川の上流を見ると、なんと大きな桃がどんぶらこと流れてきたのです!
おじいさんは早速桃を持ち帰り、おばあさんと一緒に桃を割ってみました。
すると……
中から、政宗桃太郎と同じように、小さな男の子が出てきたのです。