第6章 【世にも淫猥な御伽草子】桃太郎ver.
「鬼退治に行きたい、だと?」
政宗桃太郎の言葉に、光秀おじいさんと信長おばあさんは顔を見合わせました。
鬼退治って言ったって……ねぇ。
「政宗桃太郎、この辺には良い鬼しか居ないぞ?」
「信長様の言う通りだ。この辺に出るのは着物の持っていない村人に着物を作ってやるなど、親切な鬼しかいない。確か名前は美依と言ったな?」
……また、訳わかんない設定が出てきた←
まぁ、美依に非情な鬼役なんて無理だよね。
光秀おじいさんの話を聞いた政宗桃太郎は、ニヤリと笑い……
野性的な目をしながら、二人に言いました。
「その美依鬼って奴は、えらく可愛いって評判だからな。せっかくなら俺の嫁にしたい。だから、鬼退治にかこつけて、鬼を口説いて落とす。光秀、惚れ薬入のきびだんご作ってくれよ」
政宗ぇぇぇーー!お前に美依をやれるかっ!!
あ、秀吉さんが起きた。
光秀さんと信長様の艶シーンは終わりましたよ。
ああ、ありがとう、家康(げんなり←)
悪かったな、語り手を代わるから、お前も衣装に着替えてこい。
そろそろ出番だぞ、俺達も。
あ、もうそんな時間ですか。
ちょっと抜けるので、秀吉さんお願いします。
きちんと語り手の仕事、してくださいね?
解ってるよ、取り乱さないように気をつける(不安←)
政宗桃太郎の話を聞いた光秀おじいさんは、桃太郎のためにきびだんごを作りました。
出来上がったのは、紫に黄色の斑点が入ったきびだんご。
それを政宗桃太郎に渡しながら、光秀おじいさんはニヤリと笑いました。
「政宗桃太郎、このきびだんごは美依鬼のみに食わせろよ?他の奴らには決して食わせるな。媚薬が入っているからな、これを食えばどんな女も色欲に落ちる。まぁ頑張れ、戦果を期待していてやる」
み、光秀…なんて物を渡すんだ……(げんなり)
まぁ仕方ない、台本にそう書いてあるからな。
媚薬入りきびだんごを持った政宗桃太郎は、光秀おじいさんと信長おばあさんに見送られ、早速鬼退治……もとい、鬼を口説きに出かけました。
その途中で、秀吉猿、三成犬、家康キジに出会います。
彼らは政宗桃太郎を心配し、共に鬼退治に行きたいと申し出ました。