第5章 【世にも淫猥な御伽草子】白雪姫ver.
「美依、俺は貴様を愛している。貴様を彩る全てが愛しい…だから、これからも俺に愛され続けろ」
「お前がいないと、息も出来ない。俺はお前を閉じ込めて…永遠に美しい世界だけを見せてやる。愛しているんだ、美依……」
「あんたは一生俺だけを見てて、俺もあんただけを見てる。ずっとずっと幸せにするから…傍にいてあげるよ、美依」
「美依、ずっとお前の世話を焼かせろよ。俺はお前をずっと甘やかして…可愛がりたいんだ。愛してるよ、美依」
「美依様。貴女は私の心を奪っていった…だから、ずっとずっと傍に居てください。必ず、幸せにしてさしあげます」
「俺に意地悪される覚悟は出来ているか?意地悪はするが、その分…たくさん愛してやろう。だから…おいで、美依」
「美依、お前が音を上げるまで愛してやる。だからこっち来い、俺の腕の中で、たっぷり愛されろよ……な?」
あああああ、素晴らしい(拍手喝采)
皆さんの甘い、頂きました!
小人達はそれぞれ想いを伝えながら、姫に想いを込めて口づけを落としていきます。
しかし……美依姫が目覚める様子はありません。
そして、ついに最後の一人。
幸村王子が想いを告げる番になりました。
「美依、か……」
幸村王子は硝子の棺の傍に座り、美依姫の顔を見ました。
王子がまじまじと彼女を見るのは、これが初めて。
だから……『愛してる』とは少し違う気がするのです。
でも、可愛いな、コイツ。
目を覚まして笑ったら、もっと可愛いだろうな。
そんな風に想い、幸村王子は言葉を紡ぎました。
「起きろよ、ばか。俺はお前が笑った顔が、すげー見たい。きっと、すげー惚れる自信がある。だから起きて笑え、美依。起きたら…そのうち好きって言ってやる」
そして、姫に口づけを落とします。
その様子を見て、小人達は正直『負けた』と思いました。
すごく幸村らしい、愛の告白だ。
そして、幸村らしい王子だ。
ナイスキャスティング、と言ったところかな?
そのまま、固唾を飲んで見守ります。
姫は、王子の口づけで目を冷ますのか──……?