第5章 【世にも淫猥な御伽草子】白雪姫ver.
白雪美依姫が居眠りをしてしまってから、時間は刻々と過ぎ…
夜になると、その家の住人達が帰ってきました。
わいわいがやがや、それぞれ自分のイメージカラーの服をまとった七人の小人達です。
ですが、帰ってきてびっくり仰天。
誰かが家に勝手に入った形跡があっただけではなく、見知らぬ超絶可愛い娘がベッドで寝ているではありませんか!
「ほう…随分愛らしい娘だ。俺のベッドでぐっすり眠りこけているな」
そう言ったのは黒い服をきた小人。
赤い宝石みたいな瞳で、腕を組み、なんだか偉そうな雰囲気です。
「可愛いじゃねぇか、一晩お相手願いたいもんだ」
「お前はそれしかないのか?風邪を引いたら大変だな、毛布を掛けてやるか」
野性的な青い目で白雪美依姫を見るのは、瞳のような青い服を着た小人です。
それをなだめているのは、緑色の服の小人。
世話好きなのか、姫に毛布を掛けてあげています。
さすが秀吉さん、優しいなぁ。
「勝手に家に入られたのはまずいでしょ、何が狙いなんだか」
「だがな、家康。この間抜けな寝顔を見ると、別に泥棒とかではなさそうだぞ?」
厳しいエメラルド色の瞳で姫を見るのは、黄色い服を着た小人です。
トゲトゲとした物言いですが、視線は心配している眼差し。
……素直になれない所に優しさを感じます、家康さん
(ぐっと眼鏡を上げ、どやぁ顔)
顎に手を当て意地悪っぽい口調なのは、白い服を着た小人で、今すぐにでも悪戯しそうな雰囲気です。
「どこからいらしたんでしょうね、立派なお召し物ですが」
「何でもいいが、不法侵入ならそれなりの処罰を与えるべきだ」
頭の良さそうな紫色の服を着た小人と、淡い金髪の水色の服を着た小人は、顔を見合わせ、何やら頷いて……
そんな個性豊かな七人の小人達。
美依を改めてガン見しながら、それぞれ感嘆のため息を漏らしました。
こんなに美しい娘は見たことがないからです。
肌も白く、唇は赤く、黒々と長いまつ毛が影を落として……
あわよくば、この娘と色々したい♡などと考えておりました。
そんな事とは露知らず、白雪美依姫は話し声で目を覚まします。
そして、起きてびっくり!
目の前にいる小人達に、目をきらきらさせるのでした。