第39章 【戦国Xmas2022】聖夜に煌めく想い / 謙信END
「謙信、様っ……」
すると、美依は掠れた声で名前を呼び。
そのまま俺の首元にふわりと抱きついてきた。
湯上りのせいか、温かな体を感じて背筋がぞわりと疼く。
美依は俺の耳元で……
まるで泣いているような声で言葉を紡ぐ。
「私も愛しています、謙信様」
「美依……」
「貴方と一緒に過ごしたくて越後行きを決めました、私は……貴方のものになりたい」
「っ……」
「ずっとずっとお慕いしていました。貴方のお傍にいさせてください。そして…離さないで」
────ああ、この気持ちを何と呼ぼう
気持ちは結ばれていた。
俺が想うように、お前も……
俺のことを想ってくれていたのか。
酷く満たされる。
戦場で感じる高揚感とは違い……
もっと温かく優しいもので。
満たされていく、
心が、ぽっかり空いた破片が埋まる。
きっと俺は、お前とこうなる運命だったのだ。
「ありがとう、美依」
「はいっ……」
「こうすれば…お前を抱き締められるな」
俺は結ばれた腕を持ち上げ、輪の中に美依の体を通した。
そして、ぎゅっと引き寄せて美依の唇を奪う。
さすれば美依も抱き締め返してきて、口づけが深くなった。
(愛している、溺れるほどに)
女で満たされるなど、考えられない事だった。
でも、今の俺はそれを感じている。
美依が腕の中にいることの安堵感。
俺の中の全てが湧き立って……
『欲しい』と渇望し、心が声を上げる。
「あ……っ!」
俺がそのまま押し倒し、二人の体が畳に付くと、美依は頬を染めて俺を見つめてきた。
若干潤んだ瞳、これはもう…"期待"していると思ってもいいだろう?
「"贈り物"の包みを開いて受け取れ、美依」
「謙信、様……」
「お前に全て捧げたものだ、好きにしろ」
「っ……なら、今りぼんを解くので……」
「……」
「私を、思いっきり…愛してください」
(─────お前は、愛らしくて参る)
器用に俺の手首の紐を解く美依に、愛しさが爆発して弾けた。
もう、全てを奪うまで止めてやれない。
お前が音を上げようと、俺が満足するまでは離してやれないから、覚悟していろ?