第37章 〖誕生記念〗焦れる想いを濃紺の冬空に咲かせて / 徳川家康
「はぁっ…あんたに触れられると、気持ちいい」
「んっ…もっと、触れてもいい……?」
「いいよ、当たり前でしょ」
すると、美依は胸元から腰と手を滑らせ、俺の太ももに触れたなと思ったら……
崩れた着物の合わせから手を差し入れ、俺の昂りを布越しに触れてきた。
俺の雄は、すでに布の中で大きくなり勃ち上がっている。
その膨らんでしまっている場所を優しく優しく、下から上へ何度も撫でられてしまい……
いきなり走った甘美な刺激に、俺は思わず手を止め眉を顰めた。
「んっ…随分、積極的だね」
「もう、熱くて硬くなってる……」
「あんたが可愛すぎるせい。気持ち良さげに感じてるの見てたら…高ぶらない訳がないでしょ」
「一緒に、ぁっ…気持ち良く、なりたいから。だって…明日は家康のお誕生日だもん」
(……っほんと、可愛すぎて困る)
そうやって無自覚に煽るからタチが悪い。
男のモノに触れながら、真っ赤に潤んだ瞳で見つめ、一緒に気持ち良くなりたい……とか。
どれだけ俺を焚きつけるんだ?
でも、一緒に気持ち良くなりたいのは同じ。
良さも、辛さも、美依と全て分け合って生きていきたいから。
俺が『なら…"して"?』と囁き、指での愛撫を再開させると、美依もまた滾った熱を撫で始めた。
お互いの気持ちいい場所を、お互いに触れ合う。
それだけで鋭い快感を感じ、荒れる息を我慢する事が出来ない。
「ぁっあっ…いえ、やすぅ……」
「……ほら、声我慢。いい子でしょ?」
「家康が、塞いでてくれないからっ…!」
「言うね、あんたも。……舌、出して」
「んっ……!」
再び口づけ合い、熱を共有すれば、それだけでまた毒された心が疼き……
躰が際限なく体温を上げていく。
乱れた吐息が混ざり合い、『好い』の感情も溶けて混じる。
口内も犯して、感じる部分を攻めて。
そうすれば、美依も健気に応えてくるから。
二人の世界。
二人しかいない世界。
月明かりの下で、俺達だけ息づいて。
そんな錯覚すら覚えるほど……
もう美依しか見えなくて、その存在だけが俺を満たして鮮やかに色を映すんだ。