第37章 〖誕生記念〗焦れる想いを濃紺の冬空に咲かせて / 徳川家康
────じゃあ…いいよね?
二回目の口づけは、どちらかともなく重なり、急速に深く絡み合いながら蕩け出した。
もう、歯止めなんて効きはしない。
俺達は剥き出しの感情のまま、互いの気持ちを赤裸々にぶつけ合った。
冬空には眩い花火。
それは頭上で咲き乱れながら───………
俺達の姿を明るく照らし、もつれ合う月影を色濃く映し出していた。
*****
ねぇ、美依。
普段のあんたなら『こんなの恥ずかしい』って嫌がるよね?
なのに……
受け入れるとか、どれだけ我慢してたの?
それは俺だって同じ。
離れていた時も『お預け』くらってた時も。
もう辛くて辛くて堪らなかった。
大丈夫、あんたの心が大事だから。
俺のお姫様が望むままに……
たくさん、愛を注いであげる。
「んっ…ふ、んぅ……っ」
神社の裏、御神木。
夜には誰も近寄らないその場所に、甘い声を殺した熱っぽい吐息が漏れている。
美依は御神木に背中を付き、着物を乱して……
さっきから俺に蜜部を口で愛撫されて、喘ぐのを必死に我慢していた。
脚を広げさせ、その根元に顔を埋めて舌を這わせる。
こんな事をするのは久しぶり、だからその甘い匂いや味に鋭く神経を刺激されて、ゾクゾクと腰が疼いた。
(我慢してる顔も……可愛い)
下から上目遣いで見上げれば、美依は一生懸命手の甲を噛んでいる。
顔真っ赤にさせて、眉を寄せて……
とろんとろんに溶けた目とか、本当に煽られるんだけど。
俺は指で目の前にある膨れた蕾を弄りながら、ぢゅっ…と少し強めに吸い付いた。
さすれば美依の腰がびくりと跳ね上がる。
多分、立っているのもやっとなのだろう。
必死に踏ん張っている、そんな感じ。
「…っえ、やす……」
「ん……どうしたの?」
「誰も、来てないよね……?」
周りを気にしているのか、美依は小声でそんな事を聞いてきた。
まだそんな余裕があるのか、気持ち良くなる事だけを考えていればいいのに。
俺は脚の間から顔を上げると、そのまま立ち上がって美依の火照った頬を撫でた。
そして顔を覗き込みながら……
その心配は不要なのだと伝えてやる。