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【イケメン戦国】零れる泡沫*恋奏絵巻*《企画集》

第4章 【世にも淫猥な御伽草子】赤ずきんver.




「随分躰が火照っているな、それにこんなに痕をつけられて…」

「……っ」

「怯えるな、俺はお前を助けに来たんだ。猟師は赤ずきんを助けるものだからな」

「んっ…!」




そして、そのまま顎を掬い、唇を重ねる。
濡れた舌同士が絡み合い、ちゅくちゅくと甘い水音を立てた。

政宗オオカミによって火照らされていた赤ずきん美依は、いきなりの口づけに、ますます躰の熱を上げ、表情も蕩けて…

その猟師光秀の舌使いに、すっかり夢中になってしまった。

……が、それが面白くないのはオオカミである。
いつの間にか二人の世界になってしまい、しかも欲望を我慢させられ、躰は限界。

二人の口づけを若干呆けて見ていたが、そのうち痺れを切らし、二人の間に割って入った。

美依を光秀からひっぺがし…
その腕に、ぎゅううと美依を抱え込む。




「何やってんだ、美依は俺のなんだよ!」

「おや…娘は満更でもない顔をしているが?なぁ、赤ずきん」

「私、は…」

「美依?おーい、どうした」

「赤ずきん、随分色っぽい顔つきだが…?」




政宗オオカミの腕に抱き締められている、赤ずきん美依の様子がどこかおかしい。

目をとろんとさせ、潤ませて…
半開きの唇からは、艶かしい吐息が漏れ。

ぽーとした顔をしながら、ぽつりと。
淫乱めいた、爆弾発言を漏らした。






「二人ともすきだから、二人の熱いの、欲しいなぁ…」






それを聞き、二人が生唾を飲んだのは言うまでもない。
言葉通りの意味で解釈すれば…

つまりは『そーゆー事』であって。

政宗オオカミと猟師光秀は目を合わせ…
妖しく笑みながら、やれやれと溜め息をついた。




「ここは協力するしかないようだぞ、政宗」

「そうだな、美依がご所望とあれば、異論はねぇ。その代わり、後できっちり決着は付けるからな」

「承知した、今は一時的に手を組むだけだ」

「美依がこんなに淫乱だとは知らなかったな、堪んねぇ」

「ふっ…普段は純な蕾に隠されているが、一旦華を開かせれば…水を欲する蜜華になって蝶を誘うものだぞ」




光秀の言葉に『違いねぇ』と同意する政宗。
そのやり取りを見ていた赤ずきんは…
期待に満ちた眼差しで二人を見るのだった。







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