第33章 〖誕生記念〗彩愛-甘やかな嘘- / 明智光秀
でも、美依は言うのだ。
困ったように笑って、愛らしい一言を。
「もう、好きにしてください。
私は貴方への贈り物…なんですから」
言ってくれる、馬鹿娘。
俺を煽ったらどうなるか…
これでもまだ、選ばせてやる余裕はあったのに。
もう、それも出来なくなってしまいそうだ。
「ふっ…承知した」
「あっ…んんっ……!」
そのまま、俺は唇に噛み付いた。
着物を暴き、躰中に口づけて…
我ながら呆れるくらいに荒々しく、美依の躰を俺色に染めていく。
(愛している、美依…本当に)
俺が人を遠ざけたのは。
本当の意味で愛する事をしなかったのは。
こんな風に溺愛して、自分が欲に溺れるのが怖かったからではないのか?
自分を制御する自信はあった。
そもそも俺自身の欲などは無かった。
ただ泰平の世を作れるならば…
海の藻屑になっても構わなかったのに。
お前に出会ってしまった。
愛し、愛される幸せを知ってしまった。
もう何もかも、遅い。
────美依、お前は未来永劫
この腕の中から逃がしてやる事は出来ない
「ぁっぁあっ…ぁあんっ…!」
「んっ…美依……っ!」
そして、深く交わる。
美依を熱で貫きながら…
えげつなく、腰を鋭く振る。
背中に覆いかぶさり、その背中に口づけを落としながら肌を叩けば、美依の中は吸い付くようにうねってきた。
まるで吐精を促すように、蠢く。
奥へ奥へと誘われ、その最奥を突けば、ぎゅうっと泥濘は窄まって。
正に至福の空間。
口からは感嘆の溜息が漏れ…
荒れる息も抑えることが出来ない。
ぱんっぱんっ…ぬぷっ、ずちゅっぬちゅっ…
それに混じって、淫靡な水音も部屋に響く。
部屋中がもう、甘い蜜の空間だ。
加えて、美依の嬌声がそれに溶けるように充満するから。
(本当に、可愛い…我慢など出来ない)
己の欲に忠実に責め上げる。
ただひたすらに腰を動かし、一緒に高みへ登るために…
俺は抽挿を繰り返し、美依の弱い部分ばかりを執拗に『意地悪』した。