第33章 〖誕生記念〗彩愛-甘やかな嘘- / 明智光秀
「光秀さん……?」
「これは贈り物に掛けられていた織物だな、随分と綺麗な紐だ」
「あ…贈り物にはやっぱり、リボンを使って包むのが普通かなぁと」
「なるほど…贈り物に、な」
それを聞いて、ますます内心が踊る。
贈り物に使うと言う『りぼん』
それならば…『こちら』の贈り物も、綺麗に飾ってもらうとしようか。
俺は美依の細い手首をまとめ上げると、その紐で手首を束ねて、きゅっと縛った。
その紅色をした布は思った通り、美依の白い肌によく映える。
だが、美依はお気に召さなかったらしい。
手首を捕らえられた美依は、びっくりしたように目を見開くと、その後若干つり目になった。
「ちょっ…光秀さん!」
「贈り物には"りぼん"を使うのだろう?俺は言ったはずだ、贈り物はお前"も"だと」
「……!」
「良く似合う…とても、愛らしいぞ」
「あ……」
その手首に、そっと口づける。
そのまま手の甲に唇を滑らせ、舌を這わせて。
指の一本一本に爪先から愛おしむように、唇で愛撫していけば…
美依は微かに肌を震わせ、声を我慢するように、きゅっと唇を噛んでいた。
「んっ……」
「好いなら、そのまま感じていろ」
「や……っ」
(そんな顔をせず…気持ち良さに身を任せればいいのに)
次第に着物の袖をまくり上げ、腕の方までも甘噛みしながら唇で愛でていく。
さすれば耐えきれなくなったように、美依の口からは濡れた声が溢れ始め…
何だか若干睨むように見つめてくるので、俺はくすっと笑ってその目元にちゅっと口づけた。
「なんだ、その目は」
「も…手首、解いてください…!」
「お仕置きの意味も含めている、だからまだ解いてはやれない」
「そ、そんな……」
「そうだな…解く代わりに"贈り物らしく"するなら話は別だが」
「贈り物らしくって…?」
疑問を投げ掛ける美依の上半身を一旦起こしてやり、その溶け始めた顔を覗き込む。
そして、最大限に意地悪く…
そして甘い囁きで、美依の『お願い』を促した。
「"光秀さん、私をあげるから貰ってください"…と、言ってごらん?可愛くお願い出来たら…そのりぼん、解いてやろう」