第4章 【世にも淫猥な御伽草子】赤ずきんver.
「お前、名前は?どこへ行くんだ?」
「私は美依、赤ずきん美依と呼ばれているよ。家康おばあさんの家にケーキとワインを届けに行くの」
「なるほど、お使いか。俺の名前は政宗だ」
「政宗…ふかふかの耳と尻尾が可愛いね!」
「だろ?俺も結構気に入ってるんだ、これ」
はぁー、政宗様は何をお召になっても似合いますね、さすがです!
政宗オオカミは今すぐにでも赤ずきん美依を食べてしまいたかったのですが、家康おばあさんと言うのも気になり……
せっかくなら両方食べてしまえと。
そーゆー考えに行き着きました、うわぁ野獣ですね!
政宗オオカミは、赤ずきん美依の手を引き、花畑に案内しました。
そこで、家康おばあさんに花を詰んでいけば……と提案したのです。
「綺麗なお花畑……!ここでお花を詰んでいったら、家康おばあさんはきっと喜ぶなぁ。ありがとう、政宗!」
「気に入ったか?じゃあ…礼をもらうぞ」
「お礼って……んっっ」
政宗オオカミは赤ずきん美依を抱き寄せ、唇を奪いました。
舌が絡み合い、身体ももつれて花畑に倒れ込み……
政宗オオカミの濃厚でテクニカルな口づけは、赤ずきん美依を蕩けさせていきます。
……いいなぁ、政宗様(ぼそっ)
役得ですよね、私はこんな雲の上で台本を読んでいていいんでしょうか、信長様?
……三成、仕方なかろう。
今回の『赤ずきん』では、俺達は出番がない。
次回の『白雪姫』に期待していろ、夜伽シーンがあるらしいからな。
本当ですか、信長様!
なら、今回は我慢します(ぐぬぬ)
政宗オオカミの口づけを受けた赤ずきん美依は、若干蕩けた表情で花を詰み始めました。
その間に、政宗オオカミは家康おばあさんの家を目指します。
蒼い瞳が、きらりと光り……
政宗オオカミは、家康おばあさんも食べる気満々です。
一方、家康おばあさんはそんな事は露知らず、赤ずきん美依が来るのをベッドで本を読みながら待っておりました──……
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