第4章 【世にも淫猥な御伽草子】赤ずきんver.
「ふぅ…美依、遅いな。そろそろ来るはずなのに…どこで道草食ってるんだろ。に、したってなんで俺がおばあさん役……」
本を閉じ、頭痛そう…いやいや、心配そうに窓の外を見る家康おばあさん。
天邪鬼病にかかってはいるものの、根は優しい性格です。
なかなか来ない赤ずきん美依を心配し、まだかまだかと待ちわびておりました。
と、その時、ドアがノックされ。
美依だと思ったおばあさんは、なんの疑いもせず『入っていいよ』と招き入れてしまいました。
勿論、来たのは蒼い瞳のオオカミです。
家康おばあさんは、ジト目で政宗オオカミを見ながら、迷惑そうに言葉を紡ぎます。
「政宗オオカミさん…何の用ですか?」
「何の用だと思う、家康」
「知りません、美依が来るので帰ってください」
「そーゆー訳にはいかないんだな、何故なら……」
「何故なら?」
「お前を喰いに来たからだ♡」
「……はぁ?!」
びっくりして、その緑の瞳を見開いた家康おばあさん。
政宗オオカミは、またもや身軽な動きで、ベッドにいる家康おばあさんに襲い掛かりました。
身動き出来ないように覆いかぶさり、腕を掴んで、ベッドに押さえ付けます。
あれよあれよという間に組み敷かれてしまい……
家康おばあさんは、焦ったように言いました。
「ちょっ…政宗さん、どーゆーつもりですか?!」
「どーゆーつもりもない、お前を喰うだけだ♡」
「俺、そーゆー趣味ないんで!」
「俺だって男なんてごめんだ。でも本家はそういう話だろ?それに…お前結構綺麗な顔してるし、抱けるぞ、俺」
「……っっ!」
あああああ、これは一体どのような展開に……!
信長様、実況中継して良いのでしょうか?(不安)
……いや、駄目だろう、三成。
この小説はBLカテゴリーに分類されていないからな。
描写するには、制限が掛かる。
それに、BLは触り程度なら良いが、濃厚なのは苦手という読者もいる。
だから、実況中継は止めておくのが賢明だな。
……ですね、それが賢明です。
私達は雲の上からしっかり見守りましょう!
あ、でも音声くらいなら大丈夫かもしれませんね?
二人の閨シーンの音声を、少しだけどうぞ。