第31章 〖誕生記念〗煌めく一番星に想いの華を / 真田幸村
「んっ…はぁ、ん……っ」
────桃色の吐息は部屋の空気に溶ける
褥が躰で擦れる音とか、
はしたない漏れる水音とか、
そんなのが、私を熱くさせて。
そして、濡れた赤褐色の瞳が私を捕らえる。
その燃える視線に囚われたら…
もう、離れられない。
肌が溶け合って、混ざり合うまで、
その蜜な時間は、紡がれていくのだ。
「とろっとろのやらしー顔」
「…っ幸村だって、えっちな顔してる」
「えっち…ってなんだよ」
「いやらしいって意味」
「ふーん…そんな風に言って言いわけ?」
「あっ、ぁあっ……!」
私の脚の間に顔を埋めて、また幸村は私の一番熱い部分を愛撫し始める。
舌が、指先が、吐息が。
敏感な秘部をくすぐり、その刺激であっという間に高い世界に押し上げられてしまう。
私は背中を仰け反らせながら、幸村の頭に手を添え、その柔らかな髪を力なく梳くしかない。
淫らな喘ぎ声は、部屋に響いて…
恥ずかしくて我慢したくても、気持ち良さには敵わずに、みっともなく啼き声を漏らした。
「やっ、ぁあ…っだ、めぇ……!」
「嘘つき、すげー好さそうになってる」
「き、ちゃう、も…っきちゃうぅ…!」
「気をやれよ、お前の可愛い姿見たい」
(こんなの、恥ずかしいのに……!)
熱の中心を見られ、そこを舐められ。
すごい羞恥を晒しているのに…
幸村が、そんな姿が可愛いとか言うから。
余計に感じて、いやらしい蜜を零してしまう。
いつからこんなに淫らになったんだろう。
好きな人に愛される事が…
こんなにも快感で、嬉しい事だなんて、幸村に会うまで知らなかった。
私をこんな風にしたのは、幸村だ。
そう責任転嫁してしまうほどに…
この時間が堪らない悦楽で、愛おしい。
「ぁあっ…ゆ、きぃぃ………っっ!!」
────びくんっ!
頭が真っ白になって、思考まで蕩ける。
躰が震え、馬鹿みたいに痙攣して…
気がついてみれば、荒く息をしながら涙まで溢れていた。
ああ、私、果てちゃったんだ。
絶頂まで登り詰めてしまったとやっと理解すると、幸村が私の顔を覗き込んでいて。
顔が近づいてきたと思ったら、流れた涙を舌先で拭われていた。