第30章 〖誕生記念〗恋々路に降る星屑と煌 / 織田信長
「なら、俺だけを見ていろ、美依。俺とて、既に貴様しか見えてはおらん」
「信長、様……」
「────愛している、美依」
「んっ……」
重なった唇から、温もりが移る。
今度は深く、蕩けるように…
私の思考回路まで溶かし、その熱に溺れさせていく。
(私も…愛していますよ)
触れ合った唇から、想いはいくらでも流れる気がした。
信長様、好きです。
愛しています、傍に居たいです。
その想いは星と一緒に流れて……
そして心の深い部分に、じんわりと染みていく。
星降る夜。
私達は想いを重ね合わせて、熱に浮かされていった。
その奇跡的な夜は終わらずに……
持て余した熱をお互い分け合うように、褥に沈んだ二つの身体を、夜の帳が包んでいったのだった。
*****
絡み合う吐息、揺れて落ちて
肌を染めては…華を咲かせて
求めるままに溺れれば、全てが蕩ける。
もう、貴方しか考えられなくなってるから、
貴方もそうだったらいいのにな。
ねぇ、信長様………?
「んっ…んっ、はぁっ……!」
我慢してても、漏れ出る息は抑えられない。
それはさっきから、信長様が私の秘めたる部分を愛撫してるからだ。
蜜華を甘噛みされて、入口に舌が入ってきて…
強弱をつけながら、ぬるぬると刺激される。
かと思えば、膨らんだ花芽を指で弄られて。
まるで弄ぶように触れられては、甘い快感が全身を支配した。
私は声を抑えるのに必死なのに。
信長様は逆にそれが不満なのか、脚の間から顔を上げると、私の顔を見ながら呆れたように言った。
「何故、声を我慢する?」
「だ、だって…聞こえちゃうから」
「確かに、宿の壁は薄いがな」
信長様の言葉に、私は必死に頷く。
何故信長様がここを選んだのか…と思うくらい、用意された宿の部屋は質素だ。
普通の民家を宿にしたのか、部屋数も二部屋しかなく、当然ながら壁だってそんなに厚くない。
あんまり声を上げたら、隣に聞こえてしまう。
だが……
私の心配は、はっきり言って無駄だったようで。
信長様はくすっと笑うと、再度私の脚の間に顔を埋めながら、その『理由』を説明してくれた。