第3章 〖誕生記念〗揺れる桔梗と初染秋桜《後編》/ 明智光秀
「……怖いか?それがお前の中に入るんだぞ」
「えっと…少しだけ、怖いです……」
「なら、今日はやめておくか?」
「い、いえ!大丈夫ですから!」
すると、美依は絡まった指を解き、俺の両頬に手を当ててきた。
そして、泣きそうな瞳で見つめながら……
爆発的に愛らしい台詞を吐く。
「だから、貴方を、私にください……感じたいんです、光秀さんを」
(……っ、だから、どうしてお前は……)
初めてだから、優しくしたいと。
美依を傷つけたくないから。
だから、欲望剥き出しにするのは堪えてたのに……
そう言われると、歯止めが効かなくなるだろう?
きっと、無自覚に煽るのは、美依の悪い所だ。
それすらも、可愛いけれど。
今の場面では……それは駄目だぞ、美依。
「なら……俺の熱を感じてくれ。もう堪えられない、爆発しそうだ」
俺は美依の両膝の裏に手を当てると、一気に脚を大きく割った。
その中心は、熟れすぎた果実みたいにトロトロに蕩けて、桃のような馨しい匂いを放って……
無けなしの理性は、崩壊寸前である。
そのまま、硬く尖った先を押し当てる。
ぐぷっ…と割り込ませるように動かして。
さすれば美依は、いきなり躰を強ばらせ、不安に揺れる瞳で見上げてきた。
「力を抜け、美依。入らないぞ?」
「で、でも……」
「痛いようなら、すぐに抜く。お前は俺だけを見ていろ、いい子だろう?」
まるで『あの場面』で美依に言ったような、同じ言い方で美依を諭す。
何も怖がらないで、任せていろ。
心配する必要はない、俺を誰だと思っている?
そう言ってやると、美依は僅かに脱力して、小さく頷いた。
(あの時と何も変わらない、守られていれば……それでいい、美依)
感覚を研ぎ澄まして、ただ美依だけを見つめて。
俺はゆっくりゆっくり──……
腰を押し進め、美依の中に熱を沈めていった。