第26章 【Xmas企画】甘い彼氏はサンタクロース / 織田信長
「はぁっ…もう、出る……!」
「ぁっあっ…私、ら、めぇっ……!」
「……っそのように、締めるな……!」
────びゅくっ……!
ああ、温かなものに満たされる。
信長様は冷たくなんてない。
こんなに情熱的で…温かい人だ。
寒い寒い、クリスマスイブの夜。
私達は体温を分け合いながら、いつまでもいつまでもお互いから離れられずにいた。
『信じていれば来るかもしれん、さんたくろーすとやらが』
信長様は私にそう言っていた。
だから、私は『貴方とこれからも幸せな時間を過ごしたい』と願った。
まさかそれが次の日に『こんな形』で実現するとは。
私は信長様の腕に抱かれながら、これ以上の幸せはないと思っていたのに──……
私だけのサンタクロースは、とてもとても素晴らしい贈り物を、私に用意していてくれたんだ。
*****
(あれ、信長様………?)
次の日の朝。
陽の光が眩しくて目を覚ましてみると、一緒に眠ったはずの信長様の姿がなかった。
起き上がってキョロキョロと見渡してみても、どこにもいない。
いつもなら私が目を覚ますまで、隣に居てくれるのになぁ……
ふと身体に視線を落とせば、身体中に昨夜愛された証が残っているのが解って。
それを見ていたら、今隣に信長様が居ないのが、無性に寂しくなった。
「……探しに行こう」
そう決心して、褥から起き出す。
そして、何か着ようと着るものを探して、視線を泳がせた時だった。
(あれ?)
枕元に、小さな木箱が置いてあるのが解った。
昨日の夜、褥に移動した時はこんなものは無かったはず。
そして、木箱を持ち上げると、その下には紙が一枚置いてあって。
そこには達筆で……
こう一言だけ書かれてあった。
『めりーくりすます。
貴様が欲しがっていたものをやる。
さんたくろーす』
「ぷっ……」
それを読んで、思わず吹き出してしまった。
随分と偉そうな『サンタさん』だ。
貴様なんて、普通サンタさんは言わないよ。
それが信長様の仕業なのはすぐに解った。
一体何を私にくれたのかな?
そう思い、苦笑しながらその木箱を開いた。