第25章 〖誕生記念〗月下の蜜華に魅せられて / 石田三成
瞬間、蜜口がきゅうっと締まって。
それが緩むと、そこからはとぽとぽと濃い蜜が溢れ出す。
そのまま脱力する美依様。
息を荒げて、うっすら汗をかいて……
それは快楽の頂点に達した事に、相違なかった。
「ふふっ、気持ち良かったですか?」
「も、だめって言ったのに……」
「でも、好かったのでしょう?」
「……っ、知らないっ」
(おやおや、いつもは素直な貴女なのに)
クスクスと苦笑しながら、改めて美依様に覆い被さり、顔の横で手をついて見下ろす。
火照った桃色の肌。
潤んだ赤い瞳に、汗を絡ませた細い髪。
表情も……
とろとろに蕩けて、色っぽくて。
「本当に…貴女は可愛らしいですね」
心の底からの本音だった。
これほど愛らしい人は、この世にはいない。
それが、惚れた欲目だとしても……
こんなに可愛い顔は、誰にも見せたくないな、と。
えげつない独占欲が、心を支配するのが解った。
すると美依様も私をじっと見上げてきて…
少し戸惑ったように、ぽつりと声を漏らした。
「三成君…じゃ、ないみたい」
「え?」
「なんかね、すごく瞳の紫色が濃いの」
(ああ、そういう事か)
美依様の言葉に、また笑みが漏れる。
瞳の色が濃くなる、それは……
血流が増しているからだ、とか色々理由はあるけれど、それは結局。
「貴女に欲情してるって事ですよ」
「……っそうなの?」
「……感じませんか、美依様。コレを」
ごりっ……
私は敢えて、重なっている下半身を美依様に解らせるように押し付けた。
お互い、もう裸で。
下半身は触れ合っているのだから、そこに触れているのが何なのか……
『コレ』の正体、解りますよね?
すると、美依様は見る間に頬を染める。
自覚したかな、私の『熱』を。
貴女が欲しくて欲しくて、昂ってしまった欲望の象徴。
それはもう、かなり限界まできていた。
硬く勃ち上がり、先からは我慢した証が流れているのも、自らで感じていた。
だって、可愛く乱れる愛しい人を見ていれば……
『こう』なってしまうのは、男として当然だろう?