第24章 〖誕生記念〗艶やか椛と嫉妬の蜜菓子 / 明智光秀
色づく椛と、お前と、俺
真っ赤に染まって、鮮やかに
甘く甘く、永久(とこしえ)に続く想いを知る
『美依、首に痕付いてるぞ?』
『あ、秀吉さん。これは、ええと……』
『光秀が嫉妬した証だな、美依?』
『ま、政宗〜〜〜っっ!』
『なんだ、騒々しい』
『光秀さんが、痕なんかつけるからっ』
『なるほど、二人に自慢していたのだな?』
『するわけないでしょう!』
『可愛いから、そう膨れっ面になるな』
『痕が消えないうちに上書きしてやる。
だから…おいで、美依。
宴が終わったら、解っているな?
今宵もたっぷりいじめた後で……
愛してやろう、お前が蕩けるまで』
極上に実る、いやらしい果実を
口いっぱいに頬張れば、
今日も至極の幸せに包まれる。
────こんな誕生日なら
毎年、味わいたいものだな
お前が染めた、己自身は、
手に負えないほど温かい。
いつまでも、いつまでも
俺の傍に居てくれ。
愛しても愛し足りない、
俺のたった一人の姫だから。
色づく椛と、お前と、俺
極彩色に世界を染める。
運命の歯車を、
お互い回して噛み合うのだ。
白い肌にくっきりと、
きつく口づけ残した想い。
嫉妬の証も、鮮やかな紅。
〖誕生記念〗艶やか椛と嫉妬の蜜菓子
了
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MITSUHIDE AKECHI