第24章 〖誕生記念〗艶やか椛と嫉妬の蜜菓子 / 明智光秀
「美依…愛しているよ」
「…っ、光秀さん……」
「だから、もう一つになりたい」
────椛のように、赤く染るのはどうだ?
天高く、今宵も澄んだ夜空よ
その月や星も見守る中……
この世に生まれた喜びを
愛し合う者に出会えた奇跡を
この身に噛み締めて、契る幸せ。
────お前と共に
今日も明日も、未来も生きる
「やっ、あ、ぁっぁあっ……!」
「美依っ…締めすぎだ……!」
「だって…ぁっぁあんっ、イイ、のぉ…!」
「俺も、最高に好い…はぁっ、美依…!」
火照った二つの躰を重ね合わせて、お互いの足りない物を埋めるように。
繰り返される口づけと……
絡み合う指先から全てが伝わる。
俺達はそれしか知らないみたいに、お互いの名前を呼びあった。
「美依、美依、美依っ…!」
「みつ、ひで、さっ…光秀、さんっ…!」
「もう、中に…注いで、いいか……?」
「はい、貴方を、いっぱいくださっ……!」
「…っ、そのように可愛い事を言うな…!」
俺が欲望に任せて腰を振れば、美依もそれに合わせて艶めかしく腰を動かす。
ぴったり隙間なく触れ合う蜜部。
濡れて、擦れて、快感を生んで。
二人で一緒に快楽の極みを目指して駆け上がる。
その刹那は──……
この世界に、俺達だけしかいない気がした。
「あ、もう、っっ……!」
びゅくっ……!
そして高ぶった熱を放出させれば、目の前にチカチカと星屑が散った。
お互い抱き締め合って、崩れて…
ふわふわと微睡みながら、見つめ合ってまた口づけを交わした。
(……幸せな、一日になるな)
今年の誕生日の始まりは、生まれてきて一番幸福なものだった。
今日は一体どうやって過ごそうか?
もちろん公務があって、宴もあるだろう。
誕生日をすっかり忘れていたのは、しくじった。
休みにしていれば、美依と過ごせたのに。
それでも夜は美依とまた二人きりで。
甘く蜜な時間を、
蕩けるような祝いの夜を、
お前という甘味を──……
また満足するまで味わうのだ。