第24章 〖誕生記念〗艶やか椛と嫉妬の蜜菓子 / 明智光秀

────秋の夜は長い




それだけお前と触れ合えると言う意味だ
その肌、熱、髪の一本一本まで…
余すところなく、お前に触れて

実感したい
お前を、美依と言う……


俺だけの『極上の甘味』を







「はぁっ…そこ、やっ……」



たわわに揺れる二つの膨らみ。
その片方の頂を、舌でねっとり嬲る。

先だけでチロチロつついたり、口に含んで飴玉を舐めるように転がしたり。

さすれば、そこは形を変え…
いやらしく濡れて、テラテラと光った。




「ん…気持ちいいのだろう、美依？」

「そんな、したらぁ……」

「そんなにしたら…どうした。もっと欲しくなるか？」

「……っぁあっ！」




俺が反対の胸先をピンと指で弾くと、美依は背中を反らして甘く啼いた。

随分と好さそうな声を上げる。
その声を聞くだけで、腰がぞくぞく疼き…
躰が加速して、熱を上げていく。

その渇きを癒すように、また目の前にある赤い尖りを攻めて。

手で揉みしだきながら、強く吸い付いたら…
美依はさらに甲高い嬌声を上げて、肌を赤く染めた。




「やっ…ぁあんっ…！」

「甘いな、お前は…さすが甘味だ」

「…っかん、みじゃ、ないです…！」




(ほう、口答えするのか…美依)


その少し反抗的な言葉に、俺の中で意地悪心が、じわりと湧き上がってくる。

可愛い可愛い、俺の美依。
もっと美味しくなるように…
少し『味付け』をしてやろうか？

俺は一回胸から顔を離すと…
その真っ赤な顔を覗き込みながら、口角を上げてみせた。




「お前は極上の甘味だ、美依」

「……っ」

「もっと美味くしてやろう、俺が」

「え……？」




目を丸くさせる美依を尻目に、俺は上半身を起こして、すぐ横の文机に手を伸ばす。

そこには『ぱんけーき』と…
それにかける、蜂蜜の瓶があって。

俺はその小さな蜂蜜の瓶を手に取ると、その匙で蜜を掬い、ぺろりと一回舐めてみた。


────なかなかに甘い、これなら


俺はふっと笑うと、もう一度匙で蜂蜜を掬い。
それを、美依の目の前に持ってきて見せた。