第22章 〖誕生記念〗小生意気な彼女 / 真田幸村
「はぁっ……」
ちゅっ……
思う存分口内を堪能して唇を離すと、名残りの銀糸が唇の間に伝った。
そしてすぐに解る、蕩けた顔。
半開きの唇は妖しく光り、その黒真珠の眼差しは熱を孕んで…
『もっと』と。
身体全体で伝えてるように思えた。
「足りない?」
「ゆ、きむ、ら……」
「なら約束しろ。もうあんな無防備な姿は、他の男には晒さないって。そしたら、続きをしてやる」
「……っ」
答えを待つ間にも、美依の着物の袷を開いて、胸元を暴いて。
そこから見える白い肌も、すでに火照っていた。
俺がつーっと首筋から胸元まで指を滑らせると、美依は肌を震わせ、敏感に感じ取った。
「ぁっ…んっ……」
「ほら…言わねーの?」
「…っゆき……」
まるで煽るように、美依に問いかける。
美依に『この先』を促すように…
俺は美依の瞳を覗き込みながら、何度も何度も肌に指を滑らせた。
すると、美依はその肌を撫でる手を掴んできて。
その小さな手も、燃えるように熱かった。
「も、お酒飲む時、気をつけるから…」
「うん」
「幸村にしか、見せない、からぁ……」
「見せないから?」
「もっと、ちゃんと、触れてほし……」
(あーくそ、可愛いすぎる)
途端に、愛しさが溢れ出す。
言わせた事を、少しだけ後悔した。
そんな煽情的な眼差しで『触れて欲しい』とか…
本当に、コイツ以外見えなくなる。
熱い肌とか、甘い吐息とか。
黒く煌めく瞳とか。
もうそれしか感じなくなって…
────もっと、お前に溺れていく
「ん、上出来」
俺は美依の帯に手を掛け、素早く解いた。
そのまま身を包む砦を取り払って…
『美依自身』を深く愛でていく。
いつも俺達は喧嘩ばかり。
でもこうして、愛しさはとめどなく溢れて…
またお互いを求めて、離れられないのだと知る。
「すげー好き」
「私も…ゆきぃ……」
甘えてしがみついてくる可愛いお前を、今宵もこの腕の中に閉じ込めて。
甘い時間の訪れに身を焦がしながら…
俺は燃ゆる熱情を露わにしていったのだった。
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