第20章 〖誕生記念〗暁に咲く夢見草 / 豊臣秀吉
「どうなっても知らないぞ、そんな事言うと」
「秀吉、さ…」
「お前が寂しがってた分、優しくしたいと思ってるんだ。なのに…そうやって煽るな。めちゃくちゃにしたくなるって、言っただろ」
(秀吉さん……)
この人はこんなにも優しい。
私を想って、自分を抑えて。
でも…知ってるんだ、私。
本当はとても情熱的な人って事を。
────そんな貴方だから、好きになった
「いいの、めちゃくちゃにして」
「…っ、お前な……」
「誕生日の贈り物だから、秀吉さんの好きにしていいよ。そんな秀吉さんも…だいすき」
「なんだよ、その可愛い答えは……!」
秀吉さんが、また苦しげに呟いて。
そして──……
ぐちゅっ、じゅぷっじゅぷっ……!
「ぁっあっ…やぁぁっ……!」
下から律動され始め、秀吉さんにしがみつきながら、私ははしたなく喘ぎ声を漏らした。
熱い昂りが、中を擦り上げて奥まで届く。
私の気持ちいい部分を刺激するように、何度も何度も…
突き上げられては目から星が飛び、頭が蕩けてくらくらしてくる。
「ぁっぁあっ…おくぅっ…!」
「お前が、言ったんだからな…我慢するなって。んっ…止めてやれない、もう……!」
「はぁっ…ぁっあっ…ひでっ……!」
「舌、出せっ…美依っ……!」
そして、唇が重なり合って。
お互いを貪るみたいに、舌が絡んで…
私達は幾度となく口づけ合い、肌を触れ合わせて、その蜜事に溺れていった。
外だから恥ずかしいとか。
声、誰かに聞かれちゃったら、とか。
そんなのは激情に流されて、頭から消えてしまった。
────ねぇ、秀吉さん
貴方はいつも私に優しくて
私が寂しがってるからと、
きっと頑張って帰って来てくれたんだね
考えてみれば、夜明け前で
徹夜で馬を走らせてきたに違いない
でも、今こうしていられる事が
嬉しくて嬉しくて仕方ないの
誕生日の贈り物と言いながら、
私の方が幸せをもらっているから
貴方の熱情は私を捕え
もう、二度と離れられない程に
貴方に……溺れているんだ。