第20章 〖誕生記念〗暁に咲く夢見草 / 豊臣秀吉
「やぁっ…も、だめぇっっ……!」
「…っく、そんな、締めるな…んあっ…!」
やがて、秀吉さんが苦しそうに吠え。
直後、温かなものが躰に放たれた。
お腹の中が満ちていく感覚。
と、同時に私の張り詰めた神経も脱力して…
自分自身も達してしまったのだと、そこで改めて気がついた。
「はぁっ…はぁっ…ひ、で……」
「お前、可愛いな、本当に…可愛い」
秀吉さんが覆いかぶさってきて、たくましい腕に抱き締められる。
汗ばんだ肌がくっついて、焦げそうだ。
そのくらい、お互いの肌は熱くて…
でも、その温もりが心地よくて、いつまでもこうしていたい。
「あっ……!」
すると、荒い息を整えていた私の躰を、秀吉さんがふわりと抱き起こした。
そして躰は繋がったままで、胡座をかいた上に私を跨がせて座らせる。
秀吉さんは背中を桜の木にもたれかけ…
少し視線が高くなった私を見つめながら、くすっと色っぽく笑った。
「いーい顔」
「え?」
「すごい可愛い顔してる、艶っぽくて…そそる顔だ」
「……っ、そーゆー事言わないでっ……!」
若干むくれると、秀吉さんは可笑しそうに笑って、私をぎゅうっと抱き締める。
まだ、秀吉さんの熱と繋がっているから解る。
秀吉さん自身が、まだ硬く大きさを保っている事。
それはつまり──……
今平然としていても、まだ欲情してるんだって。
(こんなに…私を求めてくれている)
私は秀吉さんの首に腕を回すと、やんわり引き寄せ、耳元で囁いた。
「秀吉さん、我慢…しないでね」
「え…?」
「そのっ…欲しいなら欲しいって言ってほしいの」
「……っ」
それだけで、伝わるかな。
拙い言葉で、精一杯伝えた。
その直後──……
────ずぐんっっ!!
「……っぁあぁぁんっ!」
突然下から一回突き上げられ、私は思わず仰け反って腰を反らした。
倒れそうになって、秀吉さんがぐいっと力強く躰を引き寄せる。
顔を見てみれば…
苦しそうに熱を孕んだ二つの瞳が、私をしっかり見据えていて。
その紅い唇が開かれると、掠れた声が切なげに漏れた。