第20章 〖誕生記念〗暁に咲く夢見草 / 豊臣秀吉
着物が擦れ合って、音を立てる。
はしたなく裾が開かれて、脚が割り込んできて。
私達は火照る身体を重ね合わせ、激情に身を委ねた。
紅く染まった肌に、花びらが落ちる。
秀吉さんはそれを指で拾いながら…
『綺麗だ』と
どちらを褒めているのか解らなかったけど、
優しい笑みを浮かべていたんだ。
*****
瞬きも忘れて、貴方を見る。
このまま溶けて、混ざり合ってしまえばいいのに…
離れがたく、何度も何度も何度も、
唇は重なって、お互いを感じ合って。
私は…肌にたくさんの華を咲かせながら、
淫らにはしたない声を上げた。
「ぁっ…ぁぁっ、秀吉、さっ……!」
仰け反って、受け入れた熱の質量に耐える。
その秀吉さん自身は、硬く大きく、焼け焦げそうなくらい熱い。
もう、意識を保つのが精一杯で。
気を抜くと、全てを持っていかれそうになってしまう。
見上げれば、着物を乱した秀吉さんが『男』の顔をして見下ろしていて。
熱を帯びた瞳の中に、快感に歪んだ自分の顔が映っていた。
「んっ…お前の中、熱い……」
「はぁっ…秀吉さん、も、熱いよ……」
「すごい、なんか…イイ、お前の中…やっぱりすごい、イイ……」
ぬぷっ…ずっ、ずっ、ずちゅっ……
秀吉さんがゆっくりゆっくり腰を動かし始める。
隙間なくハマる秀吉さん自身が擦れて、それが堪らない快感を生んで。
こんな場所でも、我慢なんて出来ない。
自然と漏れ出る声は、朝の空気に響いてしまう。
自分じゃないみたいな、甘ったるい嬌声を聞きながら…
私は潤んだ瞳で秀吉さんを見上げ、必死に愛しい名前を呼んだ。
「ひで、さっ…秀吉、さんっ…!」
「美依、美依っ……!」
「すご、イイのぉ…ぁっ…ひでっ…!」
「…っそう煽るな、めちゃくちゃにしたくなる、だろ……!」
(いいよ、秀吉さんになら……)
自分がいやらしいと思っても、そうされる事を望んでしまう。
離れていた時の時間を埋めたい。
もっと感じたい、愛する人を。
私の欲望は限りなくて…
中をきゅうきゅうと締め上げては、離さないようにと咥え込む。