第19章 〖誕生記念〗焦がれし天色、愛しい君へ《後編》/ 徳川家康
誕生日の宴は、それは盛大なものだった。
政宗さんが作った料理も豪華だったし、城の広間は綺麗に飾り付けられて…
少し気恥ずかしくも、祝ってくれるみんなの心が嬉しかった。
ただ──……
俺には、その後の待ち侘びた時間の方が重要で。
深夜にやっと宴がお開きになり、気が急いでいた俺は、早々に美依を抱えて自室へと運んだ。
それで恋仲になったのは、すっかりバレてしまい、のちのち政宗さんあたりに揶揄われるのは、また少し先の話だ。
そう、今は……
待ち焦がれた、美依を甘やかす時間。
「ね、家康…」
「ん……?」
「怪我、痛くない?」
「痛くない、少し黙って」
「ぁっ……」
開いた胸元から、肌を噛む。
白い淡雪のような柔らかな肌に…
唇で強く吸い付き、痕を残していく。
ああ、綺麗だな。
紅い痕が春の花みたいだ。
そんな事を思いながら、音を立てて白い胸元を啄んでいると…
美依は荒れる息をを我慢しながら、唇を噛んで大きく胸を上下させた。
「声…我慢しないで」
「だって、だ、黙ってって……」
「そーゆー黙るじゃないの、ほら」
「ぁっ…んぅ……」
顎に手を掛け、親指を美依の口に咥えさせて、唇を押し開く。
すると、美依は指を無意識に吸い…
上目遣いで、俺を見つめてきた。
(あーいやらしい顔…可愛い)
乱れた着物から覗く、赤く染まった肌。
物欲しそうな顔で、指を咥えて…
『何が欲しいの?』と。
つい意地悪に聞きたくなる。
「もっと欲しい…?」
「んっ…ぁ……」
「欲しいの、美依?」
「んんぅ…はぁ……」
指を咥え、困ったような表情をするので、俺はくすっと笑ってその指をそっと抜いた。
そんな困ってる顔も可愛い。
美依の全てが可愛くて…参る。
「ほら、言ってみて」
「うっ…意地悪っ……!」
「欲しそうな顔してるからでしょ?」
「だからって……ぁっ」
そのままさらに胸元を開くと、中からぷるんと弾けるように胸が零れ落ちてきた。
ちょっと小ぶりだけと柔らかそう。
そう思い、指で薄紅の先をくりっと摘む。
すると、美依は首を逸らしながら、可愛らしく啼いた。