• テキストサイズ

【イケメン戦国】零れる泡沫*恋奏絵巻*《企画集》

第16章 【戦国Xmas】徳川家康編《後編》





「美依、大丈夫……?」




果てた美依の背中に覆いかぶさり、俺はちゅうっと首筋に口づけを落とした。

美依は息を荒らげながら、首だけ振り返り、真っ赤な顔でこくりと頷く。

蕩けた顔、気をやった特有の色っぽさ。
そんな色香に当てられながらも、俺はなんとか余裕を保っているように、美依に笑いかけた。




「なんか、欲しいものない?」

「え……?」

「くりすますは贈り物を贈り合うんでしょ?欲しいもの、何でも言ってみて」

「急に言われてもなぁ…ふふっ、家康くすぐったいよ」




じゃれ合うように背中に口づければ、美依は小さく笑って身を捩る。

本当に可愛い、可愛すぎて参る。
そう思えばこそ、何でも与えてあげたくて…
俺は答えを急かすように、つーっと細い腰を指で撫でた。




「ひゃっ……!」

「ほら、欲しいもの決まった?」

「ええと、それじゃあ……」




すると、美依はくるっと振り返り。
俺と真正面で向き合うと、恥ずかしそうにはにかみながら答えた。






「たくさん…すきって言ってほしいな。
 すきって言葉がほしい」






(えっ……)




意外な答えに、思わずどきっとする。
たくさんすきって言ってほしいって…
なんだ、その可愛い『欲しいもの』は。




「何それ…なんでそれなの」

「だって家康、本当に一回しか言ってくれないんだもん。もっと言ってほしいよ」

「あのね……」




頼むから、これ以上煽らないでくれ。
それじゃなくても、美依の感じる姿や、濡れた声や…

そんな可愛い姿に煽られ、色々限界が近いのに。

その上、愛らしい事まで言われたら…
本当にめちゃくちゃにしてしまうだろう?




(────でも、美依が欲しいものなら)




俺は壊れ物を扱うかのように、そっと美依を抱きしめ…

そして、耳元に唇を寄せて。
そのまま、愛の言葉を囁く。

俺は素直になれない性格だけど。
それでも…あんたになら、なってあげてもいいよ。

それで、あんたが喜ぶなら。
それが俺にとって、一番嬉しい事だから。






/ 555ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp