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【イケメン戦国】零れる泡沫*恋奏絵巻*《企画集》

第12章 【現代パロディXmas】伊達政宗編《後編》




「眠いか?まぁ、まだ夜明け前だからな」

「違うの、あのね……」

「……どうした?」

「私達、もう昔には戻れないなって」

「……」

「本当はいけない事なんだよね…実の兄妹で、こーゆーのは。私達、これからどうなっちゃうのな」




蜜時から、時間が経ち。
頭が冷えて、改めてそんな事を思う。

『近親相関』は法律で認められていない。
だから…私達は禁じられた関係なのだ。

いくら惹かれあっても、結ばれる事は許されない。

これから、私達はどうなるんだろう。
それを思うだけで、ずんと心が沈んだ。






「……どうもこうも、何も変わらねぇよ」






すると、政宗は私の頬に手を当て、顔を上げさせた。

そして、瞼に唇を押し当てる。
柔い温もりが移って…それだけで涙が出そうになった。




「そりゃ、周りには言えないし、子供は作れないし…俺達は日本の法律では絶対結ばれない」

「うん……」

「でも…幸せにはなれるだろ?」

「え?」




その言葉に、目を見開く。
政宗はいつものような、自信たっぷりの不敵な目をしていて…

私を勇気づけるように、力強く笑った。




「お互いが好きなら、一緒に居ればいい。それだけで…最高に幸せだ」

「政宗……」

「俺を誰だと思ってる、傍に居て不幸になれると思うなよ?絶対…幸せにしてやる」

「……っっ」

「そう思ってれば、なんだって出来る。お前は今まで通り、俺に困ってあたふたしてりゃいいんだ」






(政宗……)






真っ直ぐ、射抜く言葉。
政宗はいつも私の行き先を、照らしてくれる。

それは決して場所が変わらず輝く、北極星のように──……

いつも同じ場所で輝き、道標となる。
政宗は…きっとそんな存在なんだ。




「ありがとう、政宗」

「礼を言われる事なんかしてないぞ?」

「ううん、元気でた」

「そうか、ならいい」




そう言って、政宗は顔中にキスを落とし始める。
淡い温もり、柔らかな感触。

それらは私の不安を拭い…
また未来に笑える元気をくれた。




────私達は何も変わらない




きっと今まで通り、スキンシップの激しい政宗に翻弄される日々になるのだろう。

それは、最高に幸せで…
かけがえのない、宝物みたいな毎日になる。







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