第11章 【現代パロディXmas】伊達政宗編《前編》
「また真っ赤だな、お前。光秀にからかわれて、そんなに頭に血が上ったのか?」
「ち、違っ…これは……」
「これは?」
「兄貴が近すぎるからだもんっ……」
「なんだ、俺を意識してんのか」
「……っっ」
精一杯の抵抗で、視線だけでも逸らす。
だが、兄貴が私を見ているのは、ピリピリ感じて。
その強い視線にやられたように、私の心臓はますますうるさくなっていく。
「ここなら光秀もいないし……」
「は……?」
「美依、ちゃんと俺を見ろ」
「やだっ……!」
「────俺を見ろ、美依」
(……っっ)
有無も言わさない、強い言葉。
私はそれに負け、ちらりと兄貴を見た。
────しかし
一瞬で、その視線に捕らわれる。
熱を孕んだ、瑠璃色の瞳。
それは獲物を狙う、獣みたいな。
そんな獰猛さも持ち合わせていて…
その瞳が、見る見る近づいてきたと思ったら。
────噛み付くように、唇を塞がれていた
「んんっ……!」
瞬時に唇を割り、舌がねじ込まれてくる。
その誘うような舌先に絡め取られ…
一気に口内を貪られた。
「んっ…んぅ、ぁ……」
巧みな舌使いに、思考回路まで蕩かされる。
舌が絡まる、甘い水音まで耳に届いて…
心が高ぶり、身体まで火照り始めた。
(な、んで………?!)
頭が霞み始めながらも、必死に考える。
こんな、私を隠すように包んで、濃厚なキスして。
なに考えてんの
なに考えてんの、兄貴
まさか『あの日』のように
私の制服を乱して
身体に唇を這わせて
私の大事な所に触れて
『美依、めちゃくちゃ可愛い』
あんな、いやらしい事を、
また私にする気なの?
また、身体が熱くなる。
お腹の中から疼くみたいに、
『あの日』を思い出す水音が響いて。
兄貴の甘い熱に、蕩けてしまう。
また、流されるの、私。
兄貴に流されて、受け入れて、
あの濡れた夜を、繰り返すの───………?