第11章 【現代パロディXmas】伊達政宗編《前編》
「おい、政宗。もっと酒を飲め、せっかくのパーティだろう?」
「お前な…俺が強くないって知ってて勧めてるだろ」
「兄貴、だらしなーい!」
「美依、そんな事言うと酒飲ますぞ?」
「私はまだ未成年なの、犯罪だよ?」
クリスマスツリーを飾り、テーブルには政宗兄貴が作った料理が並ぶ。
私と兄貴と光秀さんの三人は、料理と飲み物を囲みながら、わいわいとクリスマスパーティをしていた。
窓の外を見れば、いつの間にか雪。
白い天使が、都会の街を染め始め……
ホワイト・クリスマスなんてロマンチックだなぁと思いながら、私は視線を再度部屋の中へと移した。
(あ、兄貴、胸元が……)
ふと視界に入ったのは、私からテーブルを挟んで向かいに座る兄貴。
スーツの上を脱ぎ、ワイシャツ一枚の姿で。
第二ボタンまで外した胸元から、肌が微かに見え隠れしているのが解り、私は思わず俯いた。
変に色っぽいな……
引き締まった胸元が、妙にそう感じさせて落ち着かない。
おかしいな、昔は一緒にお風呂とかも入ってたし、水着姿だって何度も見てるのに……
変に兄貴の『男』を見た気がして、そわそわしてしまう。
────また、なんかドキドキするよ
「ん?美依、どうした」
すると、兄貴と話していた光秀さんが、私の様子に気が付き、政宗兄貴の隣から私の隣に移動してきた。
そして胡座をかいて座ると、お酒の入ったコップをテーブルに置き、私の顔を覗き込む。
「顔が赤いな、部屋が温かすぎるか?」
「ち、違います、目のやり場に困って……」
「……ほう、何を見ていたんだ?」
「へ?!」
痛い所を突かれ、思わず声が裏返った。
無意識に兄貴を見ていた事に気づかされ、余計に顔が火照ってしまい……
私は光秀さんを見ながら、口ごもって唇を噛んだ。
────変
なんだか、私が変だ。
「み、光秀さんを見ていました!カッコイイなぁと思って……」
「……俺をな、そうか…ふむ」
咄嗟に嘘をつくと、光秀さんはにやりと笑う。
なんか、嘘ついたって一発でバレたような。
すると、光秀さんは口元に笑みを浮かべながら…
「……っ!」
すーっと、私の頬に指を滑らせた。