第10章 【童話パロディ】シンデレラ《後編》/ 豊臣秀吉
「────夢見てたんだ、ずっと」
そのまま、自分の脱ぎ掛けのシャツのボタンを外し…ゆっくりと脱ぎ捨てて、ベッドに放る。
たくましくも、しなやかな裸体が月の明かりに照らされて……
榛(はしばみ)色の瞳が、熱に揺れていた。
「運命の女に巡り会うこと。周りには、ずっと馬鹿にされてたけど……」
「秀吉、さん……」
「お前を初めて見た時、まるで感電したみたいだった。お前しかいないって…すぐに俺のものにしたくて。こうして今、肌を重ねられる事が…本当に、それこそが夢みたいだ」
覆い被さり、熱い唇が耳元に触れる。
吐息混じりの甘い声が、直接耳から注がれた。
「愛してる、美依…俺にお前の全てを、愛させてくれ──……」
────溶け合う、蜜夜
触れ合う悦びを、出会えた奇跡を
分け合う温もりに、全てを委ねて
そして、甘い一夜に溶けていく
二人の躰は、果てしなく熱を上げて
それこそ、溶け合って混じり合い
二度と離れることがないように……
「ぁっ…秀吉、さんっ…ぁあっ……!」
「はぁっ…美依、美依っ……!」
貫く熱情は、えげつなくも淫らだ。
美依の小さな躰を、何度も何度も何度も。
その奥を突き上げては、絶頂を誘う。
「ぁあっ…もう、だめぇっ…………!!」
美依は秀吉の躰の下で、涙ながらに秀吉に訴えた。
きらきらと飛び散る涙、秀吉はその目元に唇を押し当て……
それでも、熱を孕ませた瞳で美依を見た。
「悪い、美依…止まらない、もう、止めてやれない……!」
そして、また腰が律動される。
鋭く、激しく、全てを貫くように。
秀吉から与えられる、その想いの証は。
思考回路を麻痺させ、まるで甘い毒でも飲まされたかのように、全身を巡って蕩けさせる。
二人交わる繋ぎ目は、溶けて次第に曖昧になり……
焦げて、くっつきそうな熱い肌も。
触れ合い、熱を与え合って、二人の輪郭が解らなくなるくらいに。
────そして、弾け飛ぶ刹那の嬌声が響く