第10章 【童話パロディ】シンデレラ《後編》/ 豊臣秀吉
────それから、ひと月後
国中を上げて、秀吉王子と美依の盛大な結婚式が執り行われた。
各国から重鎮が集まり、勿論隣国の政宗王子や家康王子も、二人の祝いに駆けつけた。
そんな中に、魔法使い光秀もこっそり居たり。
皆が二人を心から祝い、それはそれは心温まる結婚式となった。
そして、その後は──……
初めて二人きりで過ごす、甘い初夜の訪れとなる。
「とても賑やかで楽しい結婚式でしたね、王子様」
美依が秀吉の腕の中で、くすくす笑う。
秀吉は花嫁衣裳の美依を抱き上げて、部屋に運びながら……
困ったように笑い、視線を美依に落とした。
「もう敬語止めろ、夫婦になったんだから」
「えっ……」
「それに王子様じゃなくて秀吉だ。ほら、呼んでみろ」
「秀吉……さん?」
「うーん…まぁ秀吉さんでもいいか」
部屋に到着した秀吉は、苦笑いしながら美依をベッドにゆっくり横たえた。
そして、ふわりと覆い被さる。
美依は顔をたくましい腕に閉じ込められ…
頬を赤く染め、潤んだ瞳で秀吉を見上げた。
「秀吉、さん……」
「ん、どうした?」
「なんか、ちょっと恥ずかしいね……」
「このくらいで照れてどうするんだ?まったく、可愛いったらありゃしない」
秀吉は自分の喉元に指を引っ掛け、しゅるり…と白いスカーフを抜いた。
そして、それをベッドに投げ捨て……
そのままの動きで、シャツのボタンも数個外し、ベストのボタンも外すと。
はだけた胸元から、たくましい胸板が姿を現した。
「……っ」
美依が目のやり場に困っていると。
秀吉はくすりと笑い、一度身体を起こして、美依のドレスをめくり……
露わになった足を持って、すっと掬い上げる。
「今日はお前に、愛してるってたくさん伝える日だから」
「秀吉、さん……」
「だから、俺に愛されてくれ。トロトロになるまで…甘やかすからな」
秀吉はそう言うと、身を屈め。
掬い上げた足の甲に、ちゅっと口づけを落とした。