第2章 タイムスリップ
低いトーンで呟いたもう1人の男性
体格いい男性に負けずとも劣らないほど容姿端麗
(すご…戦国時代ってイケメンばっかだ…)
「変な事言わないでくださいよ、信玄様!謙信様、件の相手なら佐助がいるでしょう!」
声を荒らげる幸といわれる男
(武田信玄、上杉謙信…すごいメンツが目の前に…)
「俺も謙信様の稽古相手は疲れるからやめてくれ、幸村」
「わっ?!いつの間に?」
軽やかな動きで謙信の後ろへと着地した男
口元を布で隠していた
服装から察するに忍者だった
「佐助か…本能寺の方はどうだった?」
謙信は佐助と言われる男に目線を向けながら言った
「完全燃焼に至りましたが、信長は無事だそうです」
「そうか…御苦労だった」
(あれ、私の存在は…)
いつの間に男たちの会話となり自身の出る幕を失いかけている清香
「あれ?君、その格好は…?!」
「え?」
佐助という男は目を丸くし、清香を見て呟いた
「なんだ佐助、知り合いなのか?」
「い、いえ…そういう訳では…」
その時、馬の走る音がだんだん近づいてくるのが聞こえてきた
「誰か来たか?おい、引くぞ」
謙信が言った
「そーだな、じゃあまた会おう、お嬢さん」
信玄がウインクして私に行った
4人が立ち去ったあと、清香は膨大な疲労に襲われ、馬に跨った男二人が来たことに気付かず眠りについてしまった