第2章 タイムスリップ
不意に自分へと向けられた忠告に驚いたがもう止まれずにはいられなかった清香
「前?えっ?!ちょ、待っって〜!!」
目の前には崖
落ちれば確実に死
急ぎ急ブレーキをかけようとしても、転んで転落だろう
思わず目を瞑った瞬間
「っ?!」
前に倒れ、男の人に抱きとめられていた
「あっぶね〜…おい、大丈夫か?」
「はい…ありがとうございます…」
前に倒れた上体を起こそうと顔を上げた先には支えてくれたとおぼしき男の人の顔があった
「「っ!///」」
今にも口がくっつきそうになるほど顔が近くにあったため顔を赤くし、即座に右へと向けた
「おい、もういーだろ…そ、そろそろどけ…///」
男性は顔を赤らめ、退けるよう促した
「ごめんなさいぃっ!!///」
急いで男性から身体を離した
(は、恥ずかしいー!!!)
「それよりなんだその格好?お前安土の人間か?」
「え?どーゆー事?」
「よその町に来て女性を口説くとはなー。やるなぁ幸」
(今度は誰?!)
声がした方へ顔を向けた先には、幸と呼ばれた男の人よりも体格がしっかりした容姿端麗な、男性が立ってこちらを見て笑っていた
「うわぁ…イケメンだぁ…」
あまりの綺麗さに見とれてしまい、呟いてしまった
「ふん、そんなことしている暇があれば剣の相手でもしろ、信玄」