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【イケメン戦国】500年前の恋物語

第7章 ウエスギトタケダ


(すごい…ちょっと乱暴だけど…)

「店主、勘定だ」

男は優雅に刀を納めると、銅貨を差し出した

「いえいえ!助けて頂いたのですからお代は結構ですよ。清香さんもね」

店主はニカッと清香に笑ってみせた

「え?!私は何もしてないですよ!あ!さっきの人は?」
「え?あれ、行っちまったな…」

銅貨をお膳の上に置き、悠々と去って行った

「ごめんなさい!私これで!あ、お金!」
懐から銅貨を取り出し、店主の掌に置いて走っていった

「お代はいいって言ったんだがな…」








「ま、待って!あのー!」
店を出た清香は男を追いかけ、走っていた
(歩くの早っ!)

陸上部のエースだったとはいえ1ヶ月以上のブランクがあったため、体力は少し衰えが出ていた

「待って…ってば!!」
「なんだ、またお前か」

男の裾を掴み、なんとか辿り着いた

「あの、はぁ…私も、お礼…言いたくて」
息遣いを荒くしながら、なんとか言いたいことを言えた

「あんなもの、虫を1匹追い払ったに過ぎない。礼を言う程ではないだろう」
「それでも私と店主さんが怪我をしなかったのはあなたのお陰です、謙信様」
「何故俺の名を?」
「佐助くんから聞きましたから。私の顔に覚えはありませんか?」

「もしや、本能寺の時にいた女か?」

謙信は長く、しなやかな指で清香の顎を上に向かせ、顔を近づけてきた
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