第2章 タイムスリップ
「は?何を…おい!」
信長の言葉など聞くはずもなく、一目散に森へと掛けて行った
「信長様!ご無事でしたか!」
「三成…」
三成と呼ばれた男、石田三成…
「あの、先程いらっしゃった女性は?」
「俺を救った女だ」
そう言い、清香が残していったトートバッグを見た
「不思議な布だな…三成、秀吉と政宗で森に逃げた女を追え、不思議な格好…と言えば分かるか…」
「?分かりました」
小首を傾げながら信長のもとを離れた
「安住清香…面白いな…」
その頃清香は、森を走り出していた
(なんなの、ほんとに!走りずらいし暗いしもう!!)
苛立ちながら無我夢中に走っていた
その時──
「お嬢さん、夜の森は危険だぞ?鬼がうろついているかもしれないからな」
「えっ?」
袈裟を見に纏い、錫杖を持ち、顔に大きな傷を持つ僧侶が現れた
「町まで私が案内をしようか?お嬢さん」
少しだけ、その僧侶に恐怖を感じ、震えながらも1歩後ずさった
「いえ、だっ、大丈夫です!ご親切にどうもっ」
そう言い、僧侶の横をすり抜けて走った
(まずいまずいまずい!変な人に会ってばっかりだ!いやでも、向こうからしてみれば私も十分変な人なのかな…)
走りながらそんなことを考えていたら
「おい!前見ろ前!!」