第5章 ジョウカヘ
シャツのボタンを外し、全て脱いだ後、花柄の着物に腕を通し着物を着始めた
「だいぶ分かってきたな」
満足気に帯紐を結び、髪を左で編み込みをして部屋を出た
「わぁー!賑わってるね!」
秀吉と城下に来た清香は実際に見る市場に目を輝かせていた
「当たり前だ。信長様が収めている領地だからな。町が栄えなければ、民は食ってはいけないしな」
「なる程、なる程」
「あ、豊富殿」
「あぁ、定食屋の屋主か。どーだ、商売のところは」
50代と思しき男が秀吉に駆け寄ってきた
「えぇ、信長様のお陰で不自由なくやれてますよ」
「そうか、それは良かった」
(お話中かな?邪魔しない方がいいかも…)
「清香?何処行くんだ?」
「私は向こうの方回ってくるから、続けてても大丈夫だよー」
「そうか?悪いな、気ぃ使わせて…」
「なんのなんの!じゃっ!」
「あちらは?」
「あぁ、安土のゆかりのある姫の清香だ」
「綺麗な女子さんだー」
店の奥からは屋主の妻が暖簾を潜り、出てきた
「だけど最近じゃ、訳の分からん浪人が彷徨いているって聞いたよ?金目なもん盗むっていう最悪な輩さ」
屋主の妻は眉をひそめ、秀吉に相談した
「信長様の領地で恥晒しな事をするもんだ。とっとと捕縛しねぇとな」
「わぁ!可愛い♡」