第3章 アヅチジョウヘ
目の前には歴史の教科書でみる立派なお城があった
「ここって…」
「織田軍のおひざ元、安土城だ」
「あ、安土城?!」
思わず素っ頓狂な声を出してしまった
それもそのはず、まさか安土城が見られる上、中に入るというのだから
「おい、安住清香!これから信長様とご対面するんだ。引き締まって行けよ!」
「え?!嫌です!なんで私がそんなことしなきゃいけないのよ!!えっと…」
「秀吉だ。豊臣秀吉」
「秀吉…」
「きゃぁ!秀吉様!お帰りなさいませ!」
いきなり女の黄色い声が聞こえた
それも1人のものではない
「政宗様も今日も麗しいわ…」
(だ、だれ?)
「なんだ、迎えはいいと言ったのに」
秀吉は苦笑いしながら女たちに言った
「いいんです!私たちが望んだことですからぁ!」
(顔は文句なしだからなー…それもそーだ)
女たちと軽く会話をしたあと門までたどり着いた
その頃、広間では
「信長様、秀吉様たちが安住清香を保護したとの知らせが。もう時期ここに来られることかと」
信長の家臣が膝をつき城主に報告をしている途中だった
「分かった。身なりを整えたあと、ここに連れてこい」
「はっ」
(安住清香…面白そうな女だ…暇つぶしくらいにはなるか…)
脇息にもたれ掛かり、笑みを浮かべていた
「お前が信長様のお気に入りの安住清香か?」