第3章 アヅチジョウヘ
その時清香は深い眠りについていた
寝心地など気にすることは無く、でも何かに包み込まれるよな気分だったら
「ん…んぅ…」
身をよじろうと思ったとき
「…い……きろ…………おい!」
「あぁ!はい!何でしょうか?!」
肩を掴まれ起きるよう促されたためまだ重たい瞼を無理矢理こじ開けるようにして起きた
「やっと起きたか。何回俺が声をかけたと思ってんだ。そんなに気持ち良かったか、俺の腕の中は?」
「え?今度は誰?てか、覚めたら戻るバズじゃなかったの?!って、降ろして!」
見知らぬ男性、いや、イケメンに馬の上で抱きかかえられていた現状に慌てふためく
「おい、危ないから暴れんな!」
「え?ひゃ!」
突然、腰に手を回され、さらにパニック状態に
「落ちないように捕まっとけ」
「は、はいどうも…えっと…」
「伊達政宗だ。政宗でいい」
「分かりました…」
もはや、この現状を打破することは不可能だ
知り合いもいないし右も左も分からない清香は諦めモード
(あぁ、帰りたい…)
泣きそうになる清香
「今にも泣きだしそうな面だな。コロコロ表情が変わっていいな」
「っ?!///」
不敵な笑みを浮かべる政宗
至近距離で顔を見られ、思わず清香は赤面状態
(政宗さんもイケメン…って近いってば!!)
「ちょっと!近いぃ!!!」
「随分うぶな反応だな。もしかして男経験はなしか?お前」
「ちょっと!失礼なこ─」
「着いたぞ」
「聞いてます?!」
政宗に話を遮られた清香